建設現場が止まり始めた “コロナ以上”の危機が広がる

「仕事はあるのに材料がない」広がる現場の悲鳴

中東情勢の緊迫化による原油・ナフサ価格の高騰で、建設現場に深刻な影響が広がっています。

埼玉土建には5月20日時点で278件の声が寄せられています。

「シンナーが入らない」
「コーキング材が止まった」
「防水材が確保できない」
「材料がなくて現場が進まない」

現在、特に塗装・防水関係で深刻な影響が広がっていますが、すでに大工、設備、板金、電工、サイディング、運送、内装など幅広い業種にも波及しています。

「やれば赤字、止めれば次がなくなる」

寄せられた声には、切実な実態が並びます。

「1年以上先まで仕事は決まっているが、材料費が約2倍。やればやるほど赤字になる」

「雨どいが入らず足場を解体できない。次の現場にも入れない」

「納期未定ばかりで工程が組めない」

「銀行から追加融資に慎重な対応をされた」

「この状況が続けば廃業しかない」

コロナ禍では仕事そのものは動いていました。しかし今回は、資材不足で工事そのものが止まり始めています。

建設業だけの問題ではない

こうした状況は、テレビ朝日の「モーニングショー」でも大きく取り上げられ、埼玉土建にも「スーパーJチャンネル」から取材依頼が入るなど、社会的関心が急速に高まっています。

いま起きているのは、単なる「資材値上げ」ではありません。

建設現場ではすでに、「材料が入らず工事が止まる」「納期が決まらない」「足場が外せない」といった異常事態が始まっています。

もしこの状況が長期化すれば、住宅リフォームや修繕工事の遅れだけでなく、学校・道路・公共施設など地域インフラにも影響が及びかねません。

さらに、資材価格の高騰は工事費全体を押し上げ、最終的には住宅価格や修繕費、家賃など、国民生活にも跳ね返っていく可能性があります。

実際に現場では、「先が読めず契約できない」「見積もりを出せない」という声も広がっています。

特に深刻なのは、政府や行政の危機感が極めて弱いことです。

国・自治体へ緊急要請

埼玉土建では、各支部で仲間の声を集約しながら、自治体への要望や議会への働きかけを進めています。

5月8日には建設アクション実行委員会として、経済産業省・財務省・厚生労働省へ緊急要請を実施しました。

埼玉土建の小峰中央執行委員長(5月8日当時)は記者会見で、「コロナ禍の時とは比べものにならない」と訴えました。

さらに

「仕事がなく従業員を休ませている」
「技能実習生も待機状態になっている」
「このままでは会社が持たない」

など、現場の実態を直接訴えました。

活用できる制度・相談先

資材高騰や現場停止の影響で、資金繰りや雇用維持に不安を抱える事業所に向けて、国の支援制度もあります。

現在、相談が増えているのが、「セーフティネット保証制度」と「雇用調整助成金」です。

セーフティネット保証制度は、売上減少や経営悪化が起きた中小業者に対し、金融機関から融資を受けやすくする制度です。資材高騰や取引悪化などによる経営不安にも活用できる場合があります。

また、現場停止などで従業員を休業させる場合には、休業手当の一部を助成する「雇用調整助成金」が活用できる可能性があります。

制度利用には条件や審査もあるため、まずは商工会議所や金融機関、労働局などの相談窓口にお問い合わせください。


【関連記事】
【国交省】中東情勢等を踏まえた対応について | 一般社団法人 日本建築士事務所協会連合会

【参考リンク】
セーフティネット保証制度 | 中小企業庁
雇用調整助成金 |厚生労働省
全国商工会連合会
日本商工会議所