【送検事例】クレーンで労働者をつり上げ、切断した立木が労働者に激突し死亡

福岡中央労働基準監督署は、クレーンで労働者をつり上げて作業させたとして、土木工事会社と同社代表取締役を安衛法違反の疑いで福岡地検に書類送検した。労働者をかごに乗せ、移動式クレーンでつり上げて、そのまま立木を切断する作業を行わせていた。切断した立木が跳ね上がって労働者に激突し、死亡する事故が起きている。

【事件の概要】

事故は令和6年6月24日、福岡市の家屋解体工事現場で発生した。労働者は、住宅街にある立木の切断作業をしていた。立木の上部分を切るため、労働者を移動式クレーンの先に括り付けられた金属製のかごに乗せ、高さ5.3mまでつり上げた。作業中に立木の切断した部分が跳ね上がって労働者に激突し、死亡している。

 クレーン等安全規則第72条が示す「やむを得ず人をつり上げる場合は、万全の安全措置を講じる」という原則が守られなかったことにより発生したものである。クレーンで人をつり上げる作業は例外中の例外であり、少しでも危険が想定される場合は採用してはならない。本件のように、伐木作業に伴う跳ね上がりの危険がある状況では、適切な機械の選定と確実な危険防止措置を講じることが不可欠である。

【2026.3.27  労働新聞電子版 引用】