2026年5月20日配信の記事(https://www.saitama-doken.or.jp/gmb/2005202634841/)では「OTC類似薬の外しとは何か」について触れました。
簡単におさらいすると、病院で処方される薬の中でも「市販薬(OTC医薬品)並みに有効成分がそこまで強くない薬」をOTC類似薬と言います。
国としては「市販薬でも治せるのに、わざわざ国のお金を使って保険適用してまで、市販薬と有効成分が全く同じ(あるいは類似する)OTC類似薬を処方する必要性はあるのか」という理屈で保険適用するお金を減らそうという政策です。
そして、このOTC類似薬の保険外しは薬だけにとどまる問題ではありません。
そもそも、社会保険の本来の目的は、病気やケガに対する経済的・精神的な不安を取り除くことです。
現在の健康保険制度における「療養の給付(例.本来1万円の医療費に対して7,000円の保険適用)」は、業務外の事由による疾病や負傷に対し、医師が「医学的に必要」と判断したものに対して給付されるものです。
OTC類似薬の自己負担増を避け、患者が自己判断によって市販薬で済ませようとした結果重症化してしまえば、かえって高額な医療費(高額療養費など)が発生し、巡り巡って健康保険財政をさらに圧迫する本末転倒な結果を招きます。
ここからは少し難しい話をします。
日本の公的医療制度では、「保険が適用される治療」と「保険が適用されない治療」を組み合わせて行う「混合診療」が原則禁止とされています。
なぜかというと、1回の治療の中で一つでも保険適用外の処置がされると、本来なら保険が効くはずだった基礎的な診察料や検査代も含めて「100%全額自己負担」になってしまうのです。
例えば、花粉症の治療をし、アレグラを処方されたとします(※金額はおおざっぱです)
アレグラは処方薬と市販薬、両方とも全く同じ成分で手に入れることのできる薬です。
保険証(資格確認書等)を使って保険診療をした場合、
診察300円+アレグラ300円=600円
これまではこうでした。
では、OTC類似薬の保険適用がなくなると
診察300円+アレグラ1,000円=1,300円
になると思いきやそうはならず、
診察1,000円+アレグラ1,000円=2,000円
になってしまう懸念があるのです。
つまり、混合診療にしてはいけないという原則を逆手に取り、通常なら保険適用で受けられる治療が全額自費負担になりかねなくなります。
実態は医療を受ける権利を健康を脅かす内容となっており、日本医師会をはじめとする医療関係者が強く反発しています。
OTC類似薬の保険適用外しはなんとしても阻止しなければなりません。
