日銀金利引き上げ 私たちの仕事とくらしにどんな影響があるのか

日本銀行が6月16日、さまざまな金利の基準となる政策金利を0.25%引き上げ、1%としました。35年ぶりの高水準です。利上げは預貯金金利を引き上げて利子収入を増やす一方、貸出金利も上げるため、住宅ローンや中小企業の資金調達に負担増をもたらします。

政策金利は、銀行など金融機関同士がお金を短期間貸し借りする際の金利です。日銀が利上げをすれば、対応して銀行の貸出金利が上がり、個人や企業がお金を借りにくくなって経済活動が抑制され、物価を下げる効果があるとされます。今回の利上げについても、消費者物価上昇率が、日銀の目標である2%を超えてさらに上がるリスクがあるので、それを抑えるためと説明されています。

一般的に、金利引き上げは景気の回復・拡大期に起こる物価高・インフレを抑えるためにおこなわれるといわれています。しかし、今の物価高の主な原因は、米国のイラン攻撃やロシアのウクライナ侵略に起因する燃料・原材料価格の高騰です。利上げでどれだけ抑えられるか、効果が疑問視されています。輸入物価を押し上げている円安は、利上げ以後も1ドル160円を超える水準が続いています。

政策金利の引き上げは、他の金利にも影響を及ぼします。預貯金金利が引き上げられても、預貯金の少ない低所得者の増収は限られています。住宅ローンの変動型金利上昇は、主に若年層、現役世代の大きな負担となります。有利子奨学金の金利上昇は学生・親に深刻な負担をもたらします。参議院文部科学委員会では、奨学金の金利が「5年で0.004%から1.3%に見直される」といった話もでています。

2025年度の企業倒産は1万件を超え、12年ぶりの高水準です。小規模企業が圧倒的多数を占めます。銀行の貸出金利が上がれば、中小企業の資金調達はますます難しくなります。これ以上、政府が手をこまねいていれば、中小企業、特に小規模企業がさらに減少してしまいます。

高市政権は、成長戦略に大企業支援の大幅拡大を盛り込んでいます。逆転した政策です。スパイ防止法や国旗破損罪、皇室典範改正、議員定数削減など問題ある法案を急ぐ前に、物価高抑制策として消費税一律5%への引き下げ、4年連続減少している実質賃金の引き上が対策、奨学金返済の減免措置、無利子・無担保の特別融資制度の創設など、政府による「生活と営業を守る対策」が急務です。