現場、くらしに組合力 埼玉土建 一般労働組合

お知らせ

万博建設費未払い問題

【埼玉土建本部】

つぶやき

閉幕まで1カ月を切った大阪・関西万博で、海外パビリオン建設を担った下請け中小事業者への巨額の工事代未払いが放置され、問題が起きているとの報道があります。全国商工団体連合会「万博工事未払い110番」に寄せられた事例は11件、被害総額は4億円超と言われています。これだけ多くの被害が出てしまっている事に、国、自治体の関与、管理体制はどうなっていたのかと大変不安になります。

記事によれば、もともと着工が遅れ、昼夜を問わぬ突貫工事が迫られるなか開幕に間に合わせたのに、予定工期に遅れたのは「契約不履行」だと支払い拒否や1億円超の損害賠償請求など無法が横行したそうです。こんな事がまかり通れば、これから先、誰も万博の仕事を請ける事はなくなるのではないでしょうか。

万博工事が遅れ無法な業者がはびこる事態になったのは、万博を大阪湾の人工島・夢洲(ゆめしま)で開催したのが要因で、軟弱地盤で費用がかさむため日本のゼネコンなどが二の足を踏んで、建設業許可を受けていない無法な業者が元請けや1次下請けなどに入り込むことになったそうです。開催まで間に合わせるためだけを考えたことで、信頼の足らない業者が入ったことは致命的でした。

建設業法では元請け企業が下請け代金不払いや労働災害・違法労働の根絶に責任を負います。国・自治体は業者を監督・指導する責任があり、万博協会も発注者として不正を許さない責務を負っています。無理な工期で必死に工事をしたのに、間に合わなかったから契約不履行だと切り捨て、救済の手も何ら差し伸べない、建設業で働く労働者の生活を軽く見ているように思えます。こんな状況だからこそ、国や自治体が責任を持って資金繰り支援や、工事代金や労務費の立て替え払いを元請けに要請するなどで、直ちに解決を図るべきだと思います。危険な作業も多い建設業です。頑張りがしっかりと報われる業界であってほしいと思います。

このページの先頭へ
現場、くらしに組合力 埼玉土建 一般労働組合 Copyright SAITAMADOKEN. All rights reserved.