
2026年度の最低賃金が決まりました。
埼玉県は55円引き上げられ、時間額1,196円となります。全国加重平均は1,177円、最高額は東京都の1,280円。埼玉県の新しい最低賃金は、10月1日から適用されます。
55円の引き上げ――。
最低賃金が上がること自体は前進です。
しかし、私たちの暮らしを見てみると、「賃金が55円上がったから、生活が楽になった」とは、とても言えません。

食料品、電気・ガス、ガソリン、日用品……。
生活に必要なものの価格は上がり続けています。
スーパーで買い物をしても、以前と同じものを買ったのに「こんなに高かったかな」と感じる。電気代やガス代、ガソリン代も家計を圧迫します。
賃金が上がっても、物価がそれ以上に上がれば、実際に使えるお金は増えません。
埼玉県と東京都では、これだけ違う
埼玉県の最低賃金1,196円で、月150時間働いたとします。
月収は、
1,196円 × 150時間 = 17万9,400円
税金や社会保険料などを引く前で、この金額です。
東京都の最低賃金1,280円なら、
1,280円 × 150時間 = 19万2,000円
同じ150時間働いても、月12,600円、年間では151,200円の差になります。
もちろん、実際の手取り額は税金や社会保険料などによって変わります。
それでも、「同じように働いているのに、働く地域によって年間15万円以上の差が生まれる」という現実は無視できません。
「地方だから安くていい」のでしょうか?
「地方は生活費が安いから、最低賃金も低くていい」という意見があります。
しかし、生活費は家賃だけではありません。
食費、光熱費、通信費、日用品。
そして地方では、自動車が生活に欠かせない地域もあります。
車を購入する費用、ガソリン代、自動車保険、車検、修理費など、車を維持するためにも大きなお金がかかります。
だからこそ、
「地方だから最低賃金が低くてもいい」という考え方では、暮らしの実態を捉えられません。
「どこで働くか」で賃金が決まる仕組み
最低賃金は、地域によって金額が違うだけではありません。
2026年度は、10月1日から12月2日までの間に、地域ごとに新しい最低賃金が順次発効します。
同じ年度に決められた最低賃金でも、地域によって金額も、実際に適用される日も異なります。
つまり、「どこで働くか」によって、最低限保障される賃金が変わるのです。
これは、本当にこのままでいいのでしょうか。
目標は「全国平均1,500円」だけでいいのか
政府は「全国平均1,500円」を掲げています。
しかし、その目標時期は「2030年代前半、できる限り早期」とされています。
物価高が続く今、そこまで待っていられるでしょうか。
そして、1,500円になれば十分なのでしょうか。
私たちは、もっと安心して暮らせる賃金が必要だと考えます。
最低賃金を引き上げることは、働く人の生活を守るだけではありません。
賃金が上がれば、働く人が地域で買い物をし、サービスを利用する力も高まります。
賃上げは、地域経済を元気にする力にもなります。
中小企業への支援も同時に
一方で、最低賃金を引き上げるためには、中小企業が無理なく賃上げできる環境をつくることも重要です。
原材料費、光熱費、人件費などの上昇分を適正に価格へ反映できるようにする「価格転嫁」への支援。
社会保険料などの負担軽減。
そして、国による十分な支援。
必要なのは、
「働く人の賃金を上げるのか、中小企業を守るのか」という二者択一ではありません。
国が責任を持って中小企業を支えながら、働く人の賃金を引き上げられる社会をつくることです。
全国どこで働いても、安心して暮らせる賃金を
最低賃金は、単なる「時給の数字」ではありません。
それは、働く人が生活を維持し、家族を支え、地域で暮らしていくための最低限の土台です。
55円の引き上げで終わらせるのではなく、物価高に負けない賃金を実現していくことが必要です。
地域によって賃金を分けるのではなく、
全国どこで働いても、働けば安心して暮らせる賃金を。

いますぐ全国一律1,700円以上!
めざせ2,000円!
最低賃金の大幅な引き上げと、全国一律最低賃金制度の実現を求めて、声を上げていきましょう。
