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STOP!インボイス 小泉さんにインタビュー

【埼玉土建本部】

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小泉なつみさん

「STOP!インボイス」を立ち上げて活動する小泉なつみさんに話を伺いました。

普段はどんなお仕事を?

私はライターと編集者をやって10年です。おもに有名人のインタビューが得意ジャンルですが、例えば科学の知識を専門にしたライター、説明書の編集を専門にする人など、ジャンルも多岐にわたっていて、ライター・編集者といってもいろんな人がいます。

私の場合は出版社から「こんな企画があるよ」と依頼があり、金額の提示もあって仕事が始まる形。基本的にすべて単発仕事で、ひと月に必ずいくら稼げるという保証もなく、非常に波のある不安定な仕事です。

STOP!インボイスの活動を始めたきっかけは

2021年10月、すごいヤバい制度が始まると税理士から聞いて。仕組みとしておかしくないかと思い、ネットで調べたら全商連のHPにインボイス制度の解説や反対署名・陳情のひな形もありました。今まで陳情なんてしたことないんですけど、全商連に確認してオーケーをもらい、住んでいる自治体に陳情しました。

その後、自分でアレンジした陳情書の雛形をツイートしたらバズったんです。普段1いいねしかつかないのに、そのときは3000いいねくらい。ツイッターはほとんどやってなかったんですけど、インボイスのことをつぶやくとちゃんと反応が返ってきて。反対の声を集める“器”が求められているとその時思ったんです。そこで、ネット署名に取り組みました。すると1週間ですぐ3万筆が集まり、ネット署名の運営サイトから記者会見をしたほうがいいと言われ、立ち上げから2週間で記者会見をやりました。その時のメンバーはデザイナーと私の2人だけ。会見に大手メディアは全然来なかったけど、ツイッターで注目してくれた人が仲間になってくれました。

政治に声をあげることは勇気のいることでは?

正直、毎日やめたいと思ってます(笑)。仕事の時間はなくなるし、家族との時間も疎かになりがちです。でも、もういいやと思った瞬間にこうして取材依頼が相次いで入ったり、声明がバスったりして、皆さんの声に元気をもらってまた続けよう、ってなるんです(笑)。

個人で、日比谷野音を借りて集会を開催した成功させた

野音に施設代を払ったときは、「やっちまったな」と思いました(笑)。大人になると、これをやればあーなるとかってなんとなくのゴールが想像できるじゃないですか。でも、野音に関しては本当に何も見えなくて。会場に何人来てくれるのか、誰が登壇してくれるか、何もかも予想がつかなかった。プレッシャーでご飯の味がしなくなり、5キロ痩せました。もう二度とやりたくないです(笑)。

6月に日比谷野音で開催した建設アクションに来賓として参加した

労働組合の活動を“あっちの世界”みたいな感じで、自分と縁遠いものだと思っていました。というか、組合の活動というものをまったく知らなかったし、皆さんがデモや集会にどんな思いで参加しているのか、まったくわかってなかった。でも、あの集会で「これが集会の伝統的なスタイルなんだ」と体感したことで、そこから私たちらしい野音イベントを組み立てていけたと思ってます。

勝手に労働組合の運動を“あっち側”と線引きしていましたが、あっちもこっちもない。おかしいと思うことには皆で連帯して一緒に反対したい。今はそう思います。

土建の印象は?

めちゃくちゃあったかいですよね。私にとっては運動の先輩だし、いつもアドバイスが欲しい(笑)。同じ問題で闘っている人がいるというだけで心強いです。私なんかより、みなさんは昔から消費税に反対していて。1年前はインボイスに反対する仲間が欲しいと渇望していました。私は勝手に皆さんを仲間だと思っています(笑)。

小泉さんが声をあげて連帯が始まっていった

連帯していると見えているならうれしいです。でも正直、まだまだ足りないと思っていて。もっともっと連帯の幅を広げていきたいです。エンタメとか建設とか、すでに注目されていたり、運動しているところが今は目立っていますが、そうじゃないところに光を当てたいです。また、フリーランスや免税事業者のことがよく言われますが、板挟みになる課税事業者も相当つらいと思うんです。そういう方々とも連帯していきたいです。

インボイスに無関心な人に関心をもってもらうには?

それは本当に頭を悩ませているところです。今回、激変緩和措置への反対声明を出したときに、あんなにバスるとは思っていなくて。著名人が多く賛同してくれました。『はじめの一歩』の漫画家・森川ジョージさん、『新世紀エヴァンゲリオン』の碇シンジ役で知られる声優の緒方恵美さんとか。著名な方が動くと山が動くというか、一般の人への浸透度が全然違うので、さらに広げていきたいです。

政治への関心は?

政治に興味はなかったです。自分は勝ち組だと思っていたかも。間違いなく弱者だと思ったことはなかったです。でも正社員を辞めた後、子どもをつくって子育てが大変だとか、フリーランスはなんで保育園の査定厳しいんだとか。病気になったときに何の支援もないとか。今回のコロナもそうです。何日まで療養してくださいと言われるけど、療養した分、仕事はできなくなる。会社員だったら出るのに、個人事業主というだけで支援の枠から外れてしまう。そうやって崖から落とされるような経験をすると、仕組みに問題を感じるようになる。政治がおかしいと思いだしたのは、自分が弱い側に立ったと認識するようになったからだと思います。

インボイスなど国が決めていることは難しくわかりづらいことが多い。それを、「理解できない、知らなかったあなたが悪い」で片付けられてしまうことに猛烈に腹が立つんです。生活に追われて理解する余裕がない人は多いはずなのに。

両親に愛されて育ち、一般企業でも働いてなんとか人並みに生きてきた自分すら理解が出来ないというのは、もう制度がおかしいんだと思ってます。人の自己肯定感を下げることを国がするな、と強く思います。

 

 

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