OTC類似薬の保険外しから波及する医療危機

最近、OTC類似薬という言葉を聞く機会が増えました。

OTCとは「Over The Counter(オーバー・ザ・カウンター)」の略で、薬局のカウンター越しに購入できる市販薬のことを指します。

 

病院で処方される薬を大まかに分けると

・「有効成分が強い薬」

・「市販薬(OTC医薬品)並みに有効成分がそこまで強くない薬=OTC類似薬」

の2種類に分けられます。

 

国としては「市販薬でも治せるのに、わざわざ国のお金を使って保険適用してまで、市販薬と有効成分が全く同じ(あるいは類似する)OTC類似薬を処方する必要性はあるのか」という理屈で、2027年3月から医療制度を「一部保険外療養制度」という非常にややこしいものに変えようとしています。

適用になるのは、アレグラ(花粉症用)やロキソニン(湿布)等、77成分・約1,100品目に及びます。

 

計算式は複雑なのでここでは省略しますが、結果を比較すると「市販薬を購入した場合」と「病院で診察を受け、処方された薬局で薬をもらう場合」とでは、市販薬を購入したほうが安くなるパターンが圧倒的に多くなります。「それならドラッグストアで買った方が安いし待ち時間も無くなる」という心理を利用し、国民に受診控えを誘導しようという国の画策です。

 

ここで問題になってくるのが、患者負担が増えるのに、国は医療費削減と言っておきながら期待できる削減幅は1カ月でわずか33円にしかならないことです。受診を控えたがために自己判断で正しい薬を服用できず、病状が悪化してしまえば、かえって医療費がかさむ本末転倒な事態を招きます。

 

 

さらに恐ろしいのが、「一部保険外療養」が薬剤にとどまらず、診察や処置、手術にまで波及する危険性があるということです。薬ですら負担額が増えれば大きな出費になるのに、手術ともなるとその負担は甚大なものになります。

 

必要な医療は絶対に保険適用外にしてはいけません。そのきっかけとなりうる「OTC類似薬の保険外し」は阻止しなければならないものです。