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大阪・泉南アスベスト国賠訴訟

アスベスト訴訟


最高裁国に責任

排気装置設置義務に遅れ

 

十月九日、十五時過ぎ最高裁判所第一小法廷で、白木勇裁判長は、大阪・泉南アスベスト国賠訴訟について、国の規制権限不行使の違法を認め、原告勝訴の判決を言い渡しました。
泉南スベスト訴訟は、大阪・泉南地域に集中していた石綿紡績工場の元従業員とその遺族八十九人が、工場内でアスベストを吸い、規制の遅れで肺がんなどを発症したとして、国に賠償を求めた集団訴訟。アスベストの健康被害を巡って最高裁が国の責任を認めたのは初めてのことです。
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十月九日、十三時三十分から最高裁判所正門前で、判決激励行動が行われ、埼玉土建からは四十八人が参加しました。
集会では「今回の最高裁判決は日本で初めてアスベスト被害の国の責任を判断する。私たちは事実関係をすべて明らかにした。今日の判決で国の無策について厳しく断罪することを期待すると同時に確信している」と報告がありました。
十五時過ぎ、最高裁判決が言い渡されました。判決はまず、過去の判例を踏まえ、国の規制が合法か否かを判断する基準として「規制は労働者の生命、身体への危害を防ぎ、健康を確保するため、できる限り速やかに適時・適切に行使されるべきだ」とし、そのうえで、アスベストをめぐり国が行ってきた規制を検討しました。国は一九七一年、工場内の粉じんを取り除く排気装置の設置を義務づけましたが、小法廷では「五八年には石綿の健康被害は相当深刻だと明らかになっていた一方で、排気装置の設置は有効な防止策になっていた」と指摘し「国は五八年ごろ、できるだけ速やかに罰則をもって排気装置の設置を義務づけるべきだったが、七一年まで行使しなかった」と判断しました。また、七一年以降の粉じん濃度規制の強化や労働者に防じんマスクを使用させることを事業者に義務付けなかったことについては「いちじるしく合理性を欠くとまではいえない」と違法性を認めませんでした。これにより、二陣の五十四人の勝訴と、一陣の二十八人については、賠償額を確定させるために審理が差し戻しになり、七一年以降に作業に従事した七人については、国の責任はないとして敗訴が確定しました。
十六時からは、議員会館前で宣伝行動と、早期解決を求める要請集会が行われました。
集会で、首都圏建設アスベスト訴訟弁護団の井上氏は「今日の判決は我々にとっても非常に画期的な判決だと受け止める必要がある。国のアスベスト加害責任を初めて追及する判決の中で、国の責任が明確に断罪された。建設アスベスト訴訟にも非常に大きな意義があるということを確信した。原告は防じんマスク等の義務付けを行わなかったことが違法と主張し、昨年の大阪高裁ではその違法性が認められたが、最高裁はその部分は認めなかった。しかし、建設現場ではマスクが唯一の防じん対策であり、マスクの使用を義務付けなければ十分な防じん対策ができないことは明らかだ。私たちもこの判決に続き、東京高裁で勝訴判決を勝ち取るために頑張っていきたい」と述べました。
十七時からは、衆議院第一議員会館大会議室で、判決報告集会が行われ、判決の報告と原告の決意表明、早期解決に向けたアピールが採択されました。
大阪・泉南地域は七十年以上も深刻なアスベスト被害が続いています。〇六年の訴訟以後、すでに十四人の原告が亡くなっています。原告の命があるうちに解決するため、国は最高裁判決を真摯(しんし)に受け止め、一日も早くすべてのアスベスト訴訟の全面解決を決断すべきです。

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